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▶︎ Session C ◀︎
<現場の先生によるロールモデルトーク>
企画紹介
12月のエデュコレ online FESのテーマは、「公立学校の「役割」と「可能性」~これからの在り方を探究する1日~」。
従来からある私立学校に加え、最近ではフリースクールやオルタナティブスクール・ホームエデュケーションなど公立の学校ではない学びの場を選択する子どもや家庭が増えてきました。学びの場を選択できる人たちがいる反面、自身の持つバックグラウンドによって学ぶことすら保障されない子どもたちがいることも事実。また、地方に行けばまだまだ選択肢が少ない現状があります。
どんな子どもたちも、ある年齢に達すれば「学ぶこと」「多様な他者と出会う機会」を保障出来る場所、それが本来の公立の学校ではないでしょうか?
さまざまな学びの場が生まれ、教育の多様化が叫ばれている今だからこそ、もう一度、公の学びの場について考えてみたい。公立の学校が存在する意義、公立の学校が担っている社会的な役割、これから公立の学校がどうあることが子どもたちのためになるのか。
12月開催のエデュコレonline FESでは、公立学校にスポットライトを当て、その存在意義と可能性を参加者の皆さんと共に探究します。
各企画のテーマとゲスト紹介
▶︎ Session A ◀︎
どんな公立学校があるんだろう?
SessionAでは、小・中・高それぞれの校種で、特色のある取り組みをしてこられた公立学校の先生や元先生にお越しいただき、学校の特色や取り組んでこられたことに内容について紹介していただきます。
●小学校|外国につながる子どもたちとつくり出す学び
コリアンタウンからさらに多文化な街へと変化している新宿区・新大久保にある大久保小学校は、外国ルーツの児童が全校生徒の6割を占める、非常に国際色豊かな学校です。ゲストの善元さんは、校内にある「日本語国際学級」で様々な背景を抱えながら学校に通ってくる外国につながる子どもたちと向き合ってきた先生です。善元さんの取り組みにより、子どもたちが自分の生活や思いを綴った文章は、『ぼく、いいものいっぱい』という絵本にもなっています。 常に目の前の「この子」のために授業をつくることを考え、異質なものと出会った時に起こる摩擦をやわらげる方法を模索し、自尊感情が損なわれないために学校でできることは?と問いながら取り組んでこられた善元さんの実践と子どもたちの物語を、写真と絵本の中の文章もご紹介していただきながら、参加者の皆さんと共有します。
【ゲスト】
善元幸夫さん|新宿区立大久保小学校元教諭・現在は複数の大学の非常勤講師
1950年生まれ。1973年、江戸川区立葛西小学校(日本語学級)で中国・韓国からの残留孤児2世の孤児に日本語教育を担当。1995年「日韓合同授業研究会」を作り、日本・韓国・中国の国際交流研究会を開催し、ベトナムの多言語教育にも関わり現在にいたる。2003年、全校生徒の6割が外国籍児童という新宿区立大久保小学校日本語国際学級に赴任し、ニューカマーの子どもたちの教育を担当する。琉球大学、立教大学、目白大学、東京学芸大学の非常勤講師。
主な著作 『カリキュラム改革としての総合学習5 地域と結ぶ国際理解』(編著、アドバンテージサーバー)、『国境を越える子どもたち』(共編著、社会評論社)、『おもしろくなければ学校じゃない』(アドバンテージサーバー)、『ほんとはネ、いじめっ子じゃないよ』(ポプラ社)、『ぼく、いいものいっぱい』(子どもの未来社)
*絵本『ぼく、いいものいっぱい』*
大久保小学校時代に、善元先生が受けもった日本語国際学級の子どもたちの作文が一冊にまとまった絵本。
国際結婚した両親から生まれた子。生まれ育った海外の国から突然、親とともに日本にやって来ることになった子。自分はこの先、母国に帰るのか日本に暮らし続けるのかわからない子。一つひとつの言葉から外国につながる子どもたちの生活と思いが伝わってくる、国際化が進む中での公立学校の姿の一片を感じさせてくれる絵本です。今回はこの絵本に登場する子どもたちのエピソードをもとに、善元さんのお話を伺います。詳しくは → https://bit.ly/3mUKK6A
●中学校|ヨコ(地域・社会)とタテ(小中高)をつなぐ学びのコーディネート
島根県・津和野町は、高校の魅力化から始まり、今では保幼少中高で教育ビジョンを共有し、公の教育機関がつながりあって「0歳児からのひとづくり」を目指しています。まち全体を学びの場とする(ヨコの連携)、さらに幼少期からつながりを持たせる(タテの連携)、幼児教育の魅力化(0歳からの学び)に力を入れています。今回は、それぞれ津和野町の2つの小学校と1つの中学校を担当し、地域とつながる取り組みや、タテの交流・連携の機会をつくり出している若き2人のコーディネーターから、取り組みの意味や展望、感じている課題などをうかがいます。
【ゲスト】
住田桃子さん|広島市公立中学元教諭・現在は津和野町教育魅力化コーディネーター(小中連携)
1994年生まれ。広島市の公立中学校で英語の教諭として3年間勤務。その後0歳児からのひとづくり事業を掲げる津和野町に移住し、教育委員会に所属しながら教育魅力化コーディネーター(小中連携)として勤務している。「まち全体が学びの場」をキーワードに、保育園・小中学校・高校それぞれに配置されたコーディネーターと協力し一人ひとりの学びがつながるための「たての連携」、地域の方々と協力し地域をフィールドとした学びの機会をつくる「よこの連携」を進めている。
石川姫歌さん|元小学校講師・津和野町教育魅力化コーディネーター(小中連携)
1996年生まれ。小学校の先生になることにあこがれてきたが、大学での授業や多様な大人の生き方に出会う中で学校の在り方や先生の働き方に違和感を感じ、先生以外での教育との関わり方を模索するようになる。地元で小学校講師として1年間勤務したのち、0歳児からのひとづくり事業を掲げる津和野町に移住し、教育委員会に所属しながら教育魅力化コーディネーター(小中連携)として勤務している。
「混ぜる」と「選ぶ」を個人テーマとし、年齢や立場を超えて、ともに考え、学び合えるような環境づくりに日々取り組んでいる。
●高校|社会とつながる学びで多様な生徒の進路を拓く
札幌の繁華街のほど近くに立地する、札幌市立高校の中で唯一の定時制高校・大通高校は、不登校経験がある、外国ルーツでまず日本語の学びを深めたい、働きながら学びたい、年齢が上だけど学び直したい、など多種多様な背景の生徒が通い、進路の幅も広い学校です。
「社会に近い、開かれた高校」がコンセプト。1、2年生はみんな「社会との繋がり」を学ぶ授業を受け、その学びを発展させた校外活動(ボランティア、インターンシップ、雇用されて働いた、など)も、単位認定されます。また、校内にはスクールカウンセラー、学校内外をつなくコーディネーター、若者支援の専門家(キャリアカウンセラー)、人材育成の専門家など、教員以外のスタッフがおり、教員とともに様々な支援にあたっています。今回は、その「社会に近い、開かれた学校」づくりのキーパーソンである西野さんから、大通高校のユニークな取り組みをご紹介いただきます。
*大通高校に詳細はこちらから↓*
http://www.odori-h.sapporo-c.ed.jp/guide/pg116.html
【ゲスト】
西野功泰さん|市立札幌大通高等学校商業・情報科教諭
多様なニーズを持つ生徒が通う「三部制(午前・午後・夜間)・単位制」の大通高校で、校内完結型ではなく色々な方々とコラボレーションしながらさまざまな授業・プロジェクトに取り組む。現2009年よりチャレンジオータム事務局長を務め、2014年より高校生チャレンジグルメコンテスト事務局長を兼任。アニマドーレプロジェクトやみんなが学校、札幌ラウンドテーブルなど教育や地域に関わる様々な企画に自らも多数携わる。
▶︎ Talk Session B ◀︎
対談企画|こうありたい、公立学校の未来〜公立だからこそ、できること・すべきこととは?〜
SessionBでは、文科省を経験し、現在は熊本市の教育長として教育行政に携わっておられる遠藤さんと、学校の中から学校文化を問い直すような取り組みをたくさん実践・提案してこられ、今は全国の学校・先生たちの伴走者として飛び回っておられる石川さんのお二人のおそらくもうないであろう対談です。ミクロ(現場)とマクロ(システム)を両方行き来しながら、「公立学校の役割」や「可能性」について、存分に語っていただきます。参加者の皆さんにとって、公立学校の「現在地」をより鮮明に認識でき、どんな未来を描きうるのかをより広く・高い解像度で考えることができるような対談になればと思います。
【ゲスト】
石川晋さん|NPO法人授業づくりネットワーク理事長
1989年北海道中学校教員として採用。2017年3月に退職。昨年度はコロナ休校までに幼稚園から小中高、大学、特別支援学校など160校訪問し、国語・道徳・合唱の授業を約250時間実施。校内研修づくりやオンライン対話等、全国の学校や教員に伴走しながら活動を続け、コロナ下では1on1対話を月に数十時間、全国の教育関係者とおこなっている。
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遠藤洋路さん|熊本市教育委員会教育長
1974年生まれ。1997年文部科学省に入省。2007年に熊本県教育委員会社会教育課課長を経て、2010年10月同省退官。同年11月『青山社中株式会社』を起業。2017年4月より熊本市教育委員会教育長を務める。ICTを活用した学校改革を打ち出し、子どもたちのアクティブラーニングを推進するとともに、教員の働き方改革を進めるなど、「令和に相応しい学校」を目指して学校全体の改革に尽力。
コロナ禍の休校で日本中の学校が「機能不全」に追い込まれる中、熊本市は約4万7000人もの児童生徒にオンライン授業を実現。そのプロセスは『教育委員会が本気出したらスゴかった。-コロナ禍に2週間でオンライン授業を実現した熊本市の奇跡-』として書籍化された。
▶︎ Talk Session C ◀︎
現場の先生によるロールモデルトーク♪
SessionCでは実際に全国各の公立学校で勤務されている先生方にご参加いただき、グループに分かれて、先生方の思いや悩み、児童・生徒とのかかわりなど、学校現場の声を届けていただきます。
【ゲスト】
松岡高史さん | 鹿児島県大島郡喜界町 小学校教頭
「教頭ですが、児童の情報活用能力育成のため、積極的に授業を行っています。特にプログラミング教育に力を入れています。また、働き方改革に向けて、ICTを活用し業務改善を推進しています。」
工藤美季さん | 山形県天童市 小学校教諭
「ホワイトボード・ミーティング®︎を活用した学級ファシリテーション、特別支援学級における授業つくりを行っています。教育相談、授業研究会でも活用しています。このコロナ禍、若い先生方の悩みを聞きながら、授業改善、児童理解をいっしょに模索している毎日です。また、絵本の読み聞かせの活動にも力を入れているところです。」
岩本歩さん | 愛知県 小学校教諭
「僕は、公立小学校で特別活動研究を軸に学級づくりを進めてきました。その時のキーワードは、学級目標、アドラー心理学です。その後、現在は、自治体の事業研修でイエナプラン教育を学び、クラス、学年、学校で研究を進めています。」
大泉志保さん | 大阪府泉南市 中学校校長
「校長は先生方を管理するのではなく感化するものだと思っていて、じわじわと自分が大切にしていることが学校文化になっていくことを楽しんでいます。公立学校にこだわってこれまでやってきました。最後まで貫きたいです。」
馬越隆緒さん | 大阪府和泉市 中学校教諭
「今年度から大阪府の公立中学校で1年生の担任として働いています。大学生の頃から人権について学びはじめ、子どもの人権という視点から、目の前にいる子どもたちがどんなことを考え、感じて学校にきているのだろうということを考えること大切にしながら教師生活を送ってきます。」
▶︎ 振り返りTime ◀︎
公立学校のこれからを考えてみよう!
チェックイン時に考えた、Q:公立学校の存在が社会や子どもたちにとってどのような意味があるのだろう?についてもう一度、ご自身で考えていただき、思いや考えに変化があったのか、どんなことを感じたのか、これからどんなことが自分にできるのだろうかなど、ざっくばらんにお話しできたらと思います。
また、このFES1日を通しての学びやもやもやなど、是非一緒にお話ししましょう!エデュコレonline FESに1日参加して感じり考えたことを振り返りつつ、普段からのモヤモヤや関心ごとなども少人数でおしゃべりしましょう^^
開催概要
■日時:2020年12月5日(土) | 開場 9:20 / 開始 9:30 / 終了 17:00
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